2009年6月アーカイブ
日頃から賃貸借契約をめぐり感情的に対立し、紛争が生じて互いに相手の頭部等を殴る等の暴
行を加えたが、双方とも相手方を旨訴せず、刑事事件とならなかった場合に、賃貸借をめぐる
長年の紛争により感情的になっていた当事者が偶発的な原因でお互いに殴り合う等の暴行をし
たのであり、賃借人に一方的に責任があるとはいえず、その行為をもって本件賃貸借契約にお
ける信頼関係を破壊するものとはいえないとして解除を認めなかった裁判例もあります。
賃借人の賃貸人に対する暴言や暴力は、賃貸人と賃借人双方の長年の悪感情が背景となってい
ることがほとんどであり、普通は、賃借人に一方的な責任があり賃貸人には全く落ち度がない、
とはいい切れないと思われます。
・訴訟提起と好戦的態度について
建物の賃貸借において、賃借人が賃貸人の所有建物を自己所有物であると主張して訴えを提起
した場合に、賃借人の好戦的態度による信頼関係の破壊を理由とする契約解除ができるでしょ
うか。
賃借人が自己に建物所有権が存在しないことを知りつつ、存在したと主張して訴訟提起するの
は、それだけで賃借人に貯戦的態度が認められ、信頼関係の破壊により賃貸借契約の解除が認
められますが、賃借人が自己に建物所有権が存在すると相当な理由により信じた場合には訴訟
提起を直ちに好戦的態度と評価することはできず、信頼関係が破壊されたとはいえない。
